株主・投資家の皆様へ

1. 第58期(2020年12月期)の業績について

コロナ禍による景気減速の中、電気・電子部品が牽引し、大幅増益を達成

まず、電気・電子部品事業では、リモートワークの普及に伴うパソコン需要の増大や5G(第5世代移動通信システム)の拡大を受けて、高周波・高速伝送特性に優れたコネクタが伸長し、増益達成に貢献しました。併せて、巣ごもり需要によるゲーム機やルーター向けの部品需要も好調に推移しました。また、HDD関連部品は、新型コロナウイルスによるサプライチェーンの混乱等が影響し低迷しましたが、その中でも、サーバー向けの需要は比較的堅調に推移しました。

自動車部品事業は、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、特に上半期において自動車メーカーが工場閉鎖や稼動停止等の措置を講じ自動車生産が落ち込んだことが影響し、大幅に減少しました。下半期に入り、中国や北米が牽引する形で自動車市場が急速に持ち直したことから、車載用センサやコネクタの需要が増加しましたが、上半期の落ち込みを補うには至りませんでした。

設備事業は、景気の先行き不透明感が続く中、半導体メーカーが設備投資を手控えた結果、予定していた受注を獲得するには至らず、低調に推移しました。

以上のように、新型コロナウイルスの影響で自動車部品事業や設備事業は苦戦しましたが、コネクタを中心に電気・電子部品事業が好調に推移した結果、売上高545億円、営業利益29億円、経常利益26億円、親会社株主に帰属する当期純利益11億円となりました。この結果を受け、前期に引き続き期末配当金を1株当たり20円、中間配当を含む年間配当金を25円とさせていただきました。

2. 第59期(2021年12月期)の重点戦略について

電気・電子部品事業

今後、あらゆる分野でデータの更なる高速・大容量化が進展していくことが予想されます。当社は、EMC(Electromagnetic Compatibility:電磁両立性)を実現したフルシールドタイプのコネクタの開発、拡販に注力し、高周波・高速伝送技術を深耕することにより、更なる成長を実現してまいります。今後は、高機能モバイル機器向けに加え、サーバー等に用いられる光電変換用コネクタ分野への展開も進めてまいります。

また、トルクセンサについては、人協働ロボットの市場拡大を見据え、新たな顧客開拓を進めており、その成果が少しずつ出始めております。

自動車部品事業

2021年は、新型コロナウイルスの感染拡大で低迷した自動車生産が回復基調になると予想されることから、車載用センサやコネクタ等の自動車部品需要が伸長すると見込んでおります。一方、足下では車載用半導体の供給不足懸念もあり、今後の市場動向を注視してまいります。

自動車業界全体の方向性として、CASEに代表される電動化やコネクテッド化等の進展がより一層加速してまいります。当社といたしましても、そのような状況を好機と捉え、新たな電子制御ユニットやセンサ等のモジュール部品の受注獲得に注力してまいります。

設備事業

半導体製造装置関連は、半導体需要の増加が期待されることから、技術提案型営業の強化、サービスサポートの充実等による受注獲得に努めてまいります。特に、今後市場の拡大が予想されるパワー半導体関連向け装置の拡販に注力したいと考えております。また、当社グループの保有する種々の要素技術を活用した新たな設備の外販を目指し、準備を進めてまいります。

MEMSデバイス

匂いを「見える化」するMEMS匂いセンサにつきましては、いよいよ本格的にビジネスを開始する段階に入ってまいりました。スマートフォンに接続し、身近な匂いを手軽に計測できるパーソナルモデルの「noseStick」におきましては、2021年の販売開始を予定しております。また、新たな取り組みとして、MEMS技術を活用したファウンドリビジネスへの展開も視野に入れた活動を推進してまいります。

「ものづくりソリューションエキスパート」としてグローバル市場へ向けて新たな価値を提供します。

2020年8月、当社は社名を第一精工株式会社からI-PEX株式会社へ変更し、新たなスタートを切りました。

今後は、グローバル市場で閃きや驚きという価値を提供する「ものづくりソリューションエキスパート」として、スピーディかつフレキシブルなものづくりシステムの下、業界や領域を超えて世界の最先端で次代の可能性を拓くお客様とともに、より良い未来を想像し、人が愛してやまない商品開発を支えてまいります。

私たち一人ひとりがI-PEXブランドを体現し、お客様の想像を超える独創的な価値を創造することで、お客様から一番に選ばれるパートナーとなるべく、一層の努力を積み重ねてまいります。

株主の皆様には今後とも当社グループへのご支援を何卒宜しくお願い申し上げます。