株主・投資家の皆様へ

1. 第57期(2019年12月期)の業績について

ノートパソコン向けコネクタが下半期に急回復し、業績を牽引。

まず、電気・電子部品事業では、モバイル端末の販売不振やノートパソコン向けのCPU不足等から上半期は低調に推移いたしましたが、下半期に入りCPU不足の解消とWindows7のサポート終了に伴うノートパソコン更新需要の拡大により部品需要が急回復したことから、当社の主力商品である細線同軸コネクタやBoard to Boardコネクタ等のフルシールドコネクタが大きく売上を伸ばしました。HDD関連部品は、サーバー向けの需要に回復傾向が見られましたが、全体としてはHDDメーカーの在庫調整継続の影響を受け低調でした。その一方で、5G(次世代移動通信システム)へのサービスに向けて、当社は、高周波向けフルシールドコネクタを、いち早く市場投入し販売をスタートしました。

自動車部品事業は、世界的に自動車販売が伸び悩んだものの、電子化の進展による部品需要増大の恩恵を受け、燃費、環境、安全性能の向上に寄与する車載用センサが好調でした。また、耐振・耐熱性に優れたSMTコネクタは、LEDヘッドライト向けに採用車種が拡大し、自動車部品事業全体では売上レコードを7期連続で更新することができました。

設備事業は、世界的な景気減速を背景として、半導体メーカーに設備投資を先送りする動きが見られたことから、低調に推移しました。

以上のように電気・電子部品事業におけるパソコン向けコネクタが業績を牽引し、売上高540億円、営業利益15億円、経常利益13億8千万円、親会社株主に帰属する当期純利益9億円と増収増益を達成することができました。この結果を受け、期末配当金を1株当たり5円増配の20円、中間配当を含む年間配当金を25円とさせていただきました。

2. 第58期(2020年12月期)の重点戦略について

未来に向けてリソースを最適化し、ダントツ商品を拡充していきます。

電気・電子部品事業

今期より5G(次世代移動通信システム)が世界中で本格的に展開されていくことから、電波を送受信する通信基地局をはじめ、IoT(物のインターネット)の展開が加速し、あらゆる分野で大量なデータを速いスピードで処理できる通信装置が必要となります。当社はこの好機を生かして高周波、高速伝送に優れた細線同軸コネクタやBoard to Boardコネクタを開発し受注拡大に向けて取り組んでまいります。

また、新商品分野では、トルクセンサ「エストルク」が多くの人協働ロボットメーカーや産業機器メーカーから引き合いを頂いており、エストルクを活用したロボットハンドなどの拡販に注力いたします。さらに法医学機器や航空機のエンジンに使用するパーツ、医療、介護分野等へのさまざまな商品の新規採用をいただいており、これからも精密加工技術を生かした新商品の開発を目指してまいります。

自動車部品事業

「CASE」のキーワードのもと、これからの自動車は電動化や自動運転支援システム等の普及に伴い、今後益々電子化が進むことから新たな部品需要が拡大すると予想されます。当社は車載用センサをはじめとする電装部品のビジネスと共に、電子部品で培ったノウハウと、車載コネクタのノウハウを融合した差別化された新商品の開発を行い、次世代モビリティ市場での受注拡大と新規アプリケーション参入を目指します。

設備事業

車載用パワーデバイスのニーズである半導体パッケージの大型化と民生向けの超薄型化に対応したニューモデル「GP-PRO SP-G」を今期より販売いたします。車載向けの高い品質レベルをクリアするノウハウに加えて、パッケージの薄型化を実現する「CCFC」金型との組み合わせにより、自動車分野での拡販と民生市場での販売を強化してまいります。

MEMSデバイス

昨年の「CEATEC AWARD 2019」において、匂いを「見える化」するセンサ「nose@MEMS」が、デバイス&テクノロジー部門準グランプリを受賞いたしました。食品・飲料・介護をはじめとしたさまざまなシーンで、これまでに世の中に無かった「匂いの見える化」が注目されています。

現在、多数のお客様より試作依頼を受けており、今春より販売をスタートいたします。

商号及びコーポレートブランドを「I-PEX」に統一いたします。(2020年8月1日より)

精密金型の専門メーカーとして1963年に創業した当社は、金型微細加工技術の研鑽にはげみ、さらにコネクタ事業やセンサ事業などにも拡大し、部品受託製造と提案型メーカー双方の機能を併せ持つ企業として成長してきました。今後、時代のニーズのさらに一歩先を行く、新しい価値を創造する「ものづくりソリューションエキスパート」として持続的な成長を目指す姿を明示するとともに、グローバルでのブランド認知の拡大を意図し、社名とコーポレートブランドを「I-PEX(アイペックス)」に統一いたします。

技術力を結集することで次世代技術を開発し未来の利益を創出いたします。

2020年は、生産能力増強を目的として、福岡県小郡市に取得していた65,000㎡の用地にて新工場DOC(仮称)の第1期運用を開始いたします。ここに技術部門を集結させることで、技術者の横断的なシナジー効果を見込んでおります。技術やノウハウを継承する教育施設としての機能も有し、学び舎として社業の未来を担う人材の育成にも活用することで、当社の継続的な企業価値の向上に繋げてまいります。

株主の皆様には今後とも当社グループへのご支援を何卒宜しくお願い申し上げます。